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2017年9月20日

コヴィア、「LoRa」を活用した、温湿度、一酸化炭素、二酸化炭素、PM2.5の一元管理システムの実証実験を

プレスリリース
報道関係者各位

2017年9月20日
株式会社コヴィア

株式会社コヴィア(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:神代敏彦)は、病院内における温湿度の一元管理を目指し、福井大学医学部附属病院と共同で「LoRa」を用いた、低コストで広範囲をカバーできるネットワークシステムの有用性を検証し、早期の商用化に取り組みます。
病院内における温湿度管理は、ダニやカビの発生を予防するだけではなく、感染症の予防や対策、医療機器や医薬品の品質管理など、安全な医療や看護の実現のために極めて重要であり、その管理には精密性が求められます。
しかし現状、多くの病院では、アナログ温湿度計を設置して巡回管理したり、空調レベルでの温度調節に留まっており、また、従来品のネットワーク対応型温湿度センサーは高額なソリューションが多く、さらには、既存の院内ネットワークを活用することが困難であったり、専用にアクセスポイントの追加が必要になったりと、導入の敷居が高いものでした。
コヴィアでは、長距離、低電力を特徴とする「LoRa」を活用して、独立したセンサーネットワークを構築し、低コストで、リアルタイムに衛生環境を一元管理できるシステムの実現を目指します。


■「LoRa」とは

「LoRaは、LPWA(Low Power, Wide Area)の一種で、省電力で広いエリアをカバーすることを特徴とする無線技術です。 特定小電力無線のため免許が不要で、屋内用と屋外用のゲートウェイが各種のエンドノードと通信を行い、ノードの情報をクラウドサーバーに集約して利用します。
920MHz帯の無線を利用し、実際にIoTのためにやり取りするデータの通信速度は、8km先まで送れるモードで980bps、通信距離を短くしたモードで11,000bps程度とされています。


■実証実験の概要

福井大学医学部附属病院新病棟(建物面積:5,380.96 ㎡、7階建、最高高さ:37.8m)において、4階ナースステーションに「LoRa」 ゲートウェイを1基設置しました。
ゲートウェイにはMVNOのデータ通信SIMを搭載しており、4階に設置したゲートウェイ1基で、1階から7階までの全棟(院内全域)に設置したセンサーへの電波到達と、AWSに構築されたクラウドサーバーで、1分に1回データ収集する際の受信感度及びデータ転送の可否を確認しました。
「LoRa」通信モードは長距離に適したSF10(980bps)で行いました。


実証実験の概要

■今後の計画

センサーは温湿度以外にも、一酸化炭素、二酸化炭素、PM2.5の計測も可能であり、医療・介護施設での、環境管理・感染管理・医療用ガスの漏洩管理など活用範囲の拡大を検討します。
またコヴィアでは、「LoRa」対応GPSトラッカーの開発も進めており、患者の見守りや、介護用途を想定した、SOS、位置情報取得に関する実験を計画し、あわせて、屋内に設置したゲートウェイと、屋外用ゲートウェイ(IP67対応) において、それぞれの屋外における通信範囲、電波到達距離の差を測定し、安定的で実用性の高いシステム構成を検証します。

今後の計画

コヴィアでは、これまでのWi-Fi、Bluetooth、IMES、ZigBee通信をベースにしたIoT製品に加え、LPWA対応製品のラインアップを拡充し、新しく設立するCYBERDYNE Omni Networks株式会社の販売チャネルを通じて、医療機関をはじめ、介護や教育関係、工場、ショッピングセンターなど幅広い分野でソリューションを推進してまいります。



【本製品に関する問い合わせ窓口】

Coviaサポートセンター
TEL:050-5805-4794 / E-mail: support@covia.net